新型コロナウイルスの影響で、株式市場は大幅調整を余儀なくされています。
米国市場・日本市場ともに2割以上の大幅下落となってしまいましたが、いまだに新型コロナウイルスの収束の目処が立っていません。
企業業績の落ち込みはこれからというところなので、今後さらに株価が下がっていく可能性もあります。
リーマン・ショックを経験しているようなベテランの投資家は、今回の「コロナ・ショック」を大幅に上回る株価下落を経験しているので、それほど不安にならないかもしれませんが、とくに昨年の「2000万円問題」をきっかけに投資を始めたような投資初心者にとっては、初めて経験する株式市場の大幅調整に対して、大きな不安を感じておられるのではないでしょうか?
そこで今回は株価が大幅に下がってしまった時の対処法をご紹介します。
投資家がとれる選択肢は4つ
株価が大幅に下落してしまった時の対処法ですが、投資家が取れる方法は基本的に下記の4つしかありません。
1、継続保有
文字通りで、そのまま持ち続けることです。
この継続保有を選択する場合に気を付けておかなくてはいけないのが、足元の投資環境が悪かったとしても、投資対象として将来有望なのかどうかということです。
将来性が乏しい投資対象の株式をいくら継続保有したとしても、なかなか良い結果にはならないものですし、それこそ「塩漬け」にするしか方法が無くなってしまいます。
将来性を見極めるためには、その企業の動向を調べることが大切で、IR情報(企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動)のチェックはもちろん、日頃から日本経済新聞やニュース等での情報収集を欠かさないようにしましょう。
2、追加購入
保有している株式の株価が下がってしまったものの、その水準が企業の実力に見合うものではなく、割安な水準にまで下がってしまっていると考えるなら、追加で株式を購入することも検討していいでしょう。
追加購入することで、平均購入単価を引き下げる結果に繋がるケースもあります。
但し、継続保有と同じように、将来性の見極めを行う必要があります。
また、株価が下がったものを追加購入するのは、気持ちの部分では抵抗があるものなので、ある程度冷静に物事を判断できる冷静さや、知識的な裏付けがないと難しいかもしれません。
3、全部売却
投資対象の企業が将来有望でない場合や、自身の運用方針に変更がある場合は売却してしまいましょう。
売却することで一旦損失を確定することになってしまうかもしれませんが、他に有望な投資先がある場合は、そのまま継続保有しておくよりも、新たな投資先に切り替えたほうが賢明です。
しかし、多くの投資家が一旦損失を確定することを嫌います。
これは自分の失敗を認めたくないという心理からくるものです。
そのため「プラスになるまで待ってから売却する」というように考えてしまい、結果的に「塩漬け」状態になってしまうことが多いものです。
4、一部売却
保有している株式の全部ではなく、一部だけを売却する方法です。
とくに株式市場で大幅調整が起きているような局面においては、一旦損失を確定してでも、ポートフォリオの株式比率を下げて、全体のリスクを下げるようなことも考えなくてはいけないことも考えられます。
投資先の将来性の見極めが重要
投資家が取れる方法としては基本的にこの4つしかありませんが、いずれの選択をするにしても、投資対象となる企業の将来性の見極めが重要です。
あくまでも「投資は自己責任が原則」ですから、投資家として日頃からIR情報に目を通し、また、日本経済新聞やニュースなどでの情報収集を欠かさないようにしましょう。
久保 逸郎
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