老後のお金の不安解消アドバイザーの久保逸郎です。
福岡で約15年間ファイナンシャルプランナー(FP)として活動をしてきましたが、老後のお金については漠然と不安に感じているものの、何も対策を講じていない方が結構いらっしゃいます。
また、対策を講じている場合でも、それが生命保険のようにコストが高く、効率が悪い資産形成手段を用いてしまっているケースも多くなっています。
そこでフリーのFPとして本質的な情報を知っていただきたいという思いから、このたび【老後のお金の不安を解消する方法】というブログを立ち上げました。
これから皆様の老後のお金の不安を解消するために、有益な情報をお届けしていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。
第1回目はお客様から相談を受けている時や、講演会の質問時間、メディアの取材時などに「老後資金はいくら準備したらいいの?」のという質問を受けることが多いので、そのことについて書きたいと思います。
住まいにかかる費用の有無で大きな差
まず、この「老後資金はいくら準備したらいいの?」という質問は、FPとして回答をするのに大変困ってしまう質問なのです。
たしかに老後の日常生活に必要な資金は毎月約27.8万円(総務省「家計調査年報」/2015年)、余暇を楽しむための費用を含んだゆとりある老後資金が毎月約34.9万円(生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成28年)」というデータはあるものの、正直にいってこれはあまり参考にしてはいけません。
それぞれの世帯によって全く異なってくるというのが正しいためです。
例えば、現役の時に住宅ローンを完済している世帯であれば、住まいにかかる費用は固定資産税等の経費やリフォーム代などで済むでしょう。
しかし、住宅ローンの支払いが残っている世帯や、賃貸に住んでいる場合はそうはいきません。
仮に毎月7万円の住宅費がかかるとすると、年間合計で84万円、それが定年(ここでは60歳で計算)から90歳までの30年間になれば2520万円という金額になります。
それだけ多く老後資金の準備をしておかなくてはいけないということになりますね。
趣味や旅行費用などの違いも大きい
また、日頃から節約を意識しているかどうかによって、5万円程度の生活費の支出の差は普通にあることですよね。
さらに健康状態によって医療費の支出等にも差が出ることも珍しくありません。
生活コストが高い都会と田舎でも、日々の食費等には大きな差が出そうです。
もしも毎月5万円の支出が違えば、年間で60万円、30年間で1800万円の違いになってきます。
これは当たり前のことですが、趣味や余暇の過ごし方、旅行費用などの使い方によっても支出は大きく違ってきます。
まずは老後のライフプランをしっかりと考える
このように住宅費や生活スタイルなどの違いによって、老後に必要なお金は全く違ってきますので、新聞や雑誌などに書いてある統計データを見てもあまり意味はありません。
したがって老後資金として必要な金額を知りたいのであれば、まずは老後のライフプランをしっかりと考えて、今後のキャッシュフロー表(お金の収支予想)を確認して、自分達には老後資金がいくら必要なのかということを計算していく作業を行わなくてはいけないのです。
キャッシュフロー表はExcelなどを使えば簡単に作ることができます。
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)のホームページには家計のキャッシュフロー表を作るシートが用意されているので、そちらを使ってみてもいいでしょう。
日本FP協会:便利ツールで家計をチェック
https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/
ご自身でキャッシュフロー表を作ることが難しい場合は、FPなどの専門家に相談をしてもいいと思います。
とくに経験豊富なFPに相談すれば、これまでの相談経験を基に本人が気づいていない家計の問題点について適切なアドバイスを行ってくれたり、年金額の調整やインフレ率の設定など、今後の社会・経済情勢の変化に合わせて質の高いライフプランやキャッシュフロー表を作ってくれると思います。
久保 逸郎
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