ファイナンシャルプランナー(FP)として独立して活動を始めてから、もう18年目になります。
これまでにコンサルや講演などの場面で多くの方々と話してきましたが、常々感じているのが「人生の成功者と投資で成功している人には共通点がある」ということです。
その共通点ですが、船井総研創業者の船井幸雄先生が挙げている「成功の3条件」と大変よく似ているんですよね。
素直であること
船井幸雄先生が成功の3条件として挙げている、一つが「素直であること」です。
これは説明するまでもないですね。
例えば私は以前アメリカンフットボールの指導者として活動した経験がありますが、教えたことを素直に取り組む選手はその後伸びていくことが多いものです。
その一方で、素直さに欠けたり、斜に構えている選手はなかなか伸びていきません。
アメリカンフットボールに限ったことではありません。
例えば私が20年以上取り組んでいるテニスにしても、「最初に基本動作をマスターしないまま上手くなろうとしても無理」とコーチがよく話しています。
それぞれの体力等に合わせてスタイルを変えていくのは、あくまでも基本を身に付けてからの話です。
皆さんの職場でも、素直さに欠けた新入社員なんかは一番扱いに困るんじゃないですか?
素直じゃなくても仕事をしっかりとしてくれればいいのですが、何事も最初から出来るはずがありませんし、素直さが足りない新入社員はその後伸びていかないことが多いですよね。
「守破離」という言葉がありますが、最初は教えられたことを守って、実行しながら確実に基礎を固めていくのは、やはり大切なことではないでしょうか。
投資の場合はとくにそうで、最初にしっかりとした考え方を教えてくれる師を見つけて、そして素直に考え方を学びながら基本をマスターしていかないと、世の中には良い悪い含めて多くの情報が溢れているため、結局は情報に振り回われるばかりで上手くいかないものです。
日頃から銀行に教えに行くことが多いのですが、行員さんから「いろいろな会社から話しを聞くたびに、どれも良いと思ってしまうんですよね。」という言葉を聞くことが多いですが、これは基本の考え方が身についていないため、情報の見極めや取捨選択が出来ないことに原因があるのだと考えています。
金融機関に勤めている人ですら、そのような状態なのですから、一般の方が基本を身に付けないまま投資を行っても、なかなか良い結果にならないことは容易に想像できるでしょう。
私自身、資産運用のプロとして各方面に呼んでもらえるようになったのは、独立した直後に資産運用の分野では日本の第一人者であるFP(昨年話題になった「2000万円問題」の金融庁報告書を作った有識者の一人)に出会い、その方の会社のメンバーに加えていただき、教えを素直に実行していったからだと思っています。
勉強好き
「勉強好き」で、学び続ける人であることも大切です(=学び習慣)。
私は会社に伺って日本経済新聞の読み方を教える機会がありますが、なぜ会社が従業員の方々に日本経済新聞を読ませようとするかというと、それは質の良い情報を取り続けていく習慣を持たないと、社会人として一流にはなることは難しいためだと思います。
会社側はしっかりと新聞を読む習慣を身に付けて、学びながらどんどん成長して、会社の発展に貢献する人材に育っていって欲しいと願っています。
すぐに結果が出るようなものではありませんが、10年、20年と継続することで、社会人として大きく成長することを期待しています。
だから新聞を読むことを推奨するんですよね。
社会人になってから目先の仕事のこと以外についても学び続けていった人と、そうでない人が将来的にどのように差がつくか?
10年、20年、30年先にどのような差になってしまっているのか?
まぁ今の40代、50代以上の社会人を見ていればわかると思います。
世界の経済環境や金融市場は日々変化しています。
マーケットは短期的には投資家マインドや中央銀行の政策の影響のほうが大きくなる傾向がありますが、しかし、「価格はいずれ価値に収斂する」と言われるように、長期目線で考えれば価値に見合う水準に落ち着いていくものです。
適切にポートフォリオを管理して、長期的に投資で運用成果を出していくためには、日頃から経済情勢等をしっかりとウォッチしていく必要があるのです。
また、金融の世界には「適合性の原則」というのがあります。
金融商品の販売に携わる者は、相手の知識や経験等に合わせて提案する商品を決めなくてはいけないため、知識が乏しい人に対しては複雑な商品や高リスク商品の提案を行うことができません。
良い運用成果が期待できる商品があったとしても、あくまでも理解できる範囲でしか提案をしてもらえないのが現実です。
プラス発想
成功の3条件のもう一つは「プラス発想」です。
成功の定義は人それぞれなので、ここでは人生を謳歌している人ということにしておきたいと思いますが、常に前向きな姿勢で、新しいことに挑戦していく人は、人生の成功者になっていく可能性が高いですよね。
その一方で、後ろ向きというか、ネガティブ思考でうだうだしている人は、なかなか人生が上手くいかないことが多いのではないでしょうか?
(ネガティブ思考が全てにおいて悪いわけではありません。慎重であること、リスク管理が上手など、時と場合によっては長所になることもあります。)
投資というのは、自分が当面使う予定がないお金を、これから成長しそうな企業や国(地域)などにじっくりと預けて(投資を行って)、その預け先の成長の恩恵を受け取っていくというものです。
明るい未来に期待するわけですから、まさに「プラス発想」の行為です。
以上の3つが、船井幸雄先生が挙げた成功の3条件です。
どうですか?人生の成功者と、投資の成功者は似ていると思いませんか?
実際に投資で成功を収めている人は、仕事やプライベートなどが上手くいっている人が多く、会社で出世が早かったり、経営者として成功している人が多かったりしますし、プライベートでも趣味の分野で輝いていたりする人が多いものです。
上記の3つの要素が備わっているわけですから、ある意味当然のことのような気がします。
これをどのように活用すればいいかというと、投資で成功したいなら、最初は素直に実行して基本を身に付けて、しっかりと情報取得に励み、学び続けていくということです。
つまり成功者の真似をすればいいのです。
成功者を徹底的に真似て(モデリング)いくことが、成功への一番の近道ですからね。
最後に挙げた「プラス発想」については、そもそも明るい未来を信じていない人は投資なんてしませんから、あまり気にしないでいいと思います。
久保 逸郎
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